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2021.11.08

コスギーズ!(川崎ブレイブサンダース 隠岐洋一さん)

取材記事

コスギーズ!とは…

利便性や新しさだけでなく、豊かな自然、古きよき文化・街並みもある武蔵小杉は

「変わりゆく楽しさと、変わらない温かさ」が共存する素晴らしい街です。

そんな武蔵小杉の街の魅力をお届けするべく、この企画では街づくりに携わり、

活躍している人をご紹介していきます!

 

第2回目の今回は、川崎ブレイブサンダースの営業部・隠岐洋一(おきよういち)さんにインタビュー。SDGs(※)の達成につながるさまざまな活動を通して、地域のファンや企業との絆を深めているクラブの思いを伺いました。

※SDGs…持続可能な開発目標。2015年に国連が定めた2030年までに達成すべき国際社会共通の目標。貧困やジェンダー平等、教育、気候変動など世界中のあらゆる問題に対する17の目標が定められている。

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インタビューに応じてくださった営業部の隠岐さん

 

「川崎ブレイブサンダースとして主体的に川崎市に貢献したい」

 

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2020年9月、川崎市とSDGsの推進に関する協定を締結した。左が元沢伸夫社長=川崎ブレイブサンダース提供

 

「SDGsに熱心なプロスポーツチームは」と問われると、真っ先に名前が挙がる川崎ブレイブサンダース。2020年9月に川崎市と協定を結び、バスケットボールを通してSDGsを実現しようとさまざまな挑戦をしています。

 

クラブとしてSDGsを推進するようになった理由について、隠岐さんは「今までも、川崎市と多摩川清掃やまちの落書き消しなどをやってきましたが、川崎市を本拠地とするクラブとして、より主体的に地域貢献をしていきたいと、社長の元沢をはじめクラブとして考えていたことでした。そこで、事業を通して地域にも貢献できることとしてSDGsを進めることになったのです」と話します。

 

「&ONE」(アンドワン)と名付けられたSDGs推進プロジェクトは。&ONEとは、バスケット用語で「得点後にもう1本シュートを打てるビックプレー」を意味します。人と人とがつながることでビッグプレーを生む、そしてバスケと並ぶ、もう一つの大切な活動という意味が込められています。川崎ブレイブサンダースは早速、市内の幼稚園・保育園への幼児用バスケットゴールの寄贈や、寺子屋での授業、ホームゲームでの就労体験など、たくさんの取り組みに着手。隠岐さんは、「どれに一番力を入れているのかとよく聞かれますが、どれも力を入れているのでお答えするのが難しい(笑)。失敗することもあると思うけど、とにかくチャレンジしてみようという気持ちです」と語ります。

 

選手が発信することでSDGsを身近に感じられる

 

今年の3月には、SDGsの17目標すべてにチャレンジする「&ONE days」(アンドワンデイズ)をホームの川崎市とどろきアリーナで開催しました。このイベントでは、ファンや地域の企業などを巻き込んで、ユニークな企画を打ち出しました。

 

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ウォーキングスタンプラリーを楽しむ参加者=川崎ブレイブサンダース提供

 

例えば、目標3「すべての人に健康と福祉を」につながる企画としては、ウォーキングスタンプラリー。「武蔵小杉駅からとどろきアリーナまでは徒歩で20分くらい。運動不足の解消やバスの混雑回避を目的に、歩きながらスタンプを集めてもらい、ゴールした方には景品をプレゼントするという企画に挑戦しました。ご家族で楽しんでいただき、一部天候が悪い日があったにも関わらず500人以上の方が参加してくださいました」と隠岐さんは手応えをにじませます。アンケートでも好評だったことから、今シーズンは全ホームゲームで実施することになったそうです。

 

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川崎丼の販売ブース。多くの参加者が訪れた=川崎ブレイブサンダース提供

 

目標12「つくる責任 つかう責任」や13「気候変動に具体的な対策を」に関連することとしては、川崎市産の野菜を使った「川崎丼」をエームサービス株式会社と協力し、発案。川崎で採れたお米と野菜を使った限定メニューをつくって販売しました。「地産地消」によって、輸送時のCO2排出量を削減。SDGsへの貢献が期待される取り組みです。「美味しく楽しく地産地消できる良い企画になりました。地産地消の取り組みではこの他にも、JAセレサ川崎にご協力いただき、月に1回ほど、旬の食材を川崎市とどろきアリーナで販売していきます」と隠岐さん。

 

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篠山竜青選手による啓発動画のワンシーン=川崎ブレイブサンダース提供

 

なんと、イベント前には選手にもSDGsについて学んでもらい、SDGsの17目標に対して全選手からのメッセージを出してもらったそう。「我々スタッフより、選手が発信することでファンを巻き込むことができる。アンケートを読んでいても、『◯◯選手が言うんだったらやってみよう』と、SDGsが身近になるきっかけになったことが分かりました。選手の発信力こそ、プロスポーツならではだと思います」と隠岐さん。今シーズンは、選手が考えた企画を実践していく計画があるそうです。

 

「子どもたちのため」を考え、川崎の未来をつくる

 

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スクールでは次世代のバスケ界を担う子どもたちを育てている=川崎ブレイブサンダース提供

 

川崎ブレイブサンダースがSDGsと同じぐらい力を入れていることが「次世代育成」。隠岐さんは「クラブでは『MAKE THE FUTURE OF BASKETBALL ~川崎からバスケの未来を~』という理念を、SDGsに取り組む以前から掲げていました。次世代育成というとおこがましいですが、地域の子どもたちのためにクラブとして何ができるかということは常に考えています」と話します。その証拠に、2018年7月には30人だった子ども向けスクールの生徒が、たった3年で1,000人にまで増えました。「想像以上にバスケの需要があったことをうれしく思います」と隠岐さん。

 

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&ONE ASSISTの記者発表=川崎ブレイブサンダース提供

 

SDGsを推進し始めてからも、子どものためになる企画が多数。例えば、「&ONE ASSIST(アンドワンアシスト)」がその一つです。「川崎ブレイブサンダースはもともと、ゴールにつながる『アシストパス』が多いチームです。アシストの意味は、他者を助けること。この伝統を活かして、今季のBリーグでのアシストパス1本あたり1,000円を積み立てて、市内の子どもたちにとって役立つことに使おうと思っています」。ちなみに、川崎ブレイブサンダースの昨シーズンのアシストパスは1,381本。基金に換算すると約140万円にもなります。

 

他にも「来場者数×1円」を、川崎市内の子ども食堂に寄付する取り組みも今シーズンから始まっています。隠岐さんは「クラブとして、川崎市の幸せや住みやすさに貢献するという大きな目標を掲げています。当然、現役世代のみなさんもそうですが、若い世代を支えていくことが重要になってくると考えています」と話します。

 

「クラブとして地域に恩返しをしたい」

 

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インタビューに応じる隠岐さん

 

「クラブが発足して約70年。この間ずっと川崎を拠点に、ここまで成長させてもらいました。クラブとしてまだまだ恩返しをしないといけない。川崎ブレイブサンダースが川崎にあって良かったなと思ってもらえるような、元気を与えられる存在でありたいと思っています。そして、SDGsなどの取り組みを通して川崎ブレイブサンダースを知ってもらい、試合に足を運んでもらえるきっかけになれば私たちとしても嬉しいことです」

 

昨年からのコロナ禍で、さまざまな制約があるにも関わらず地域との絆を深めている川崎ブレイブサンダース。〝地域のために何ができるか″を常に考えているクラブの姿勢が、「たくさんのことにチャレンジしている」という隠岐さんの言葉に現れていると感じました。昨シーズンは初の天皇杯制覇という結果でも、地域に喜びをもたらした川崎ブレイブサンダース。Bリーグの2021―22シーズンが9月末に始まり、天皇杯と地区優勝、そしてリーグ制覇の3冠に向けて激戦を繰り広げています。ホームゲームに足を運んで、川崎ブレイブサンダースの世界を感じてみてはいかがでしょう。